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6月11日(火) 第8回交渉学「交渉学②」

本日の講義の流れ

▼田村先生 ― (講義)交渉におけるSMARTアプローチ
▼社会人TA古山さん― (演習)SMARTアプローチの実践

前半では、田村先生から実際の交渉におけるSMARTアプローチについてご講義いただきました。交渉前の準備を5つの視点で行うこと、交渉の現場における2つの基本原則(①立場から利害へ②人と問題の分離)など、これからの実生活にも活かせる重要なポイントの解説がありました。
後半では、講義を踏まえた演習として、お互いが対立する関係に立ち、模擬交渉を行いました。交渉後の振り返りではお互いが開示していなかった情報に驚く様子があちこちで見られ、交渉の奥深さを身をもって感じたようでした。

履修生の学び 〜講義後に提出される振り返りシートより抜粋

法学部法律学科3年
今回の授業では、実践的な事例を通して交渉のやり方を学ぶことができた。演習を通して、表面上のことだけではなく問題の核心を知ることが重要だと感じた。そして、着眼点の違いだけで、先入観が構築されてしまい、大きな食い違いが起こる事実に驚いた。今回の事例をとおして、視点を変えることで問題の本質を捉えることができ、傾聴、事実確認の大切さを改めて感じることができた。世の中に出ると、このような事例に出会うことが多いと思う。先生がおっしゃっていたように、紙面にすると、今回のように食い違った形になることは実際に多いと思う。そのような際に、問題の本質を捉え、丁寧に交渉することによって、より良い方向に改善できると感じた。今後の交渉学の授業でも、実際に自分の事例だと想像力を働かせ、能動的に取り組んでいきたい。

●法学部法律学科4年
本日の講義では、利害対立型のケースを用いた交渉を行ったことで、交渉の複雑さを理解することができた。前回の交渉では目的とする部分が交渉相手と共通していたため、その他に関する主張を擦り合わせるのみで、筋道のはっきりした交渉を行うことができた。しかし、今回の利害対立型のケースでは、互いに持ち合わせた事実を前提とした上で、譲るところは譲り、大きく出るところは出るといった形で交渉するほかなく、非常にやりづらさを感じた。また、注意すべき点として、持っている情報をもとに先入観を持って相手に接するのではなく、傾聴力を発揮して、異なる事実関係のもとでの最善を追求するという心構えが非常に重要であると感じた。実際に現実の交渉事でも、互いの持つ情報が食い違っていることが多く、必要のない議論(ケンカ)が繰り返されることも多々あるため、そういった時にこそ傾聴力が生きるのだと思った。

●商学部3年
講義前半では、交渉の2つの基本原則を取り扱った。交渉を行う際には、相手の立場ではなく、「利害」に目を向け、関係者の利害の本質を理解する必要がある。その中で互いの利害の一致点と相違点に焦点を当て双方の利益を広げるような選択肢を創造できる。そこから「賢明な合意」、「三方よし」を生み出すのである。
講義後半ではSMARTアプローチを用いて、具体的なケース問題に取り組んだ。自分側の情報のみでまずSMART分析を行い、交渉に移った。話し合いを通して、相手の持つ情報を知り、相手側の利害を理解することで、互いの理解の共通項を探った。そこから、相互に利益を拡大できる合意が生まれるということを学ぶことができた。