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12月10日(火) 第9回リーダーシップ基礎「交渉力①:SMART」

本日の講義の流れ

▼田村先生 ― (講義・演習)交渉の論理と準備、交渉の実践
前半では、交渉における論理と、交渉に向けた準備について講義がなされました。特に準備段階においては、SMARTという五つの視点を持って行うことを学びました。後半では、具体的なケースを用いて、2人1組になってそれぞれが別の立場から交渉を行いました。交渉前に各自がSMARTアプローチに基づいて準備し、交渉に臨みましたが、相手の情報を引き出すことや交渉を進めていくことの難しさを実感したようでした。受講生たちは苦戦しながらも、意欲的に取り組んでいました。

履修生の学び ~講義後に提出される振り返りシートより抜粋

◯理工学部1年
SPICEの実践を本日の講義で体験した。私は交渉と言われるとまず譲歩が思い浮かんでいた。その為、まず互いの状況を理解すべく状況を知るのに時間を要するべきだという田村教授のお言葉を聞き、交渉というのは想像よりも時間をかけるべき行為なのだと驚いた。実際にペアで交渉を行ってみたところ、確かに、相手の話に耳を傾けることで、こちら側にとって利点がある情報を多く得ることが出来たと振り返る。集団同士が関わりを持つことによって生じる厄介事は多い。異なる価値観を持つ者同士が関わるのだから、一筋縄でいかなくて当然である。一方で、それを乗り越えると双方にとって確実に現状を改善出来る案を見つけ出せる可能性が十分にあるのだ。その可能性を高めるのが交渉における対話の存在であると確信した。今後に活かしたい。

◯経済学部1年
今回の講義で学んだ交渉の方法はすごく実践的で興味深かった。前半はSMARTアプローチについての説明を受けたが、印象的だったのはM(mission)についてである。交渉の最終的な目標は合意に至ることだと思い込んでいたが、真の目的は合意に至った先にあるということを教わったことで、交渉の段階で合意の先を考慮しなければならないという意識が身についたととともに、なおさら感情に任せたような自分本位の交渉はするべきではなく、自分の立場に合わせて相手と協調することが大切だと思わされた。後半のケースではSMARTアプローチを活かして実際に交渉を行ったが、このアプローチの手順をしっかりと踏めば自分の条件と相手の条件をうまく妥協させることができると身をもって実感できた。特にSMARTアプローチの一番最初の「状況把握」は非常に重要だと感じた。自分と相手の置かれている立場、状況をしっかりと整理して交渉に臨むことで、相手の要求に対して折り合いをつけやすくなったり、自分たちの主張を明確に伝えたりすることができた。本番の交渉では今回のケースのようにはうまくいかないと思うが、今回習った手順を意識して交渉を行うようにしたいし、実践で使えるような交渉スキルを早く身につけようと思った。

◯法学部政治学科2年
初めての交渉だったので分からないことが多かったが、とても身近な話題で楽しみながら行うことができた。今回、基本情報を交換し合った後すぐに本題に入ってしまったことで行き詰まってしまった。しかしその後色んな情報を交換する過程で相手の事情や他のオプションが明らかになり、様々な面からの交渉をすることができた。最後にお互いの情報プリントを交換すると、対話交渉だけでは伝わりきることができなかった事柄や発見を見つけることができて、面白かった。対話だと難しいと感じていた部分も、書面上だと思ったより簡単で単純な内容であったという部分も多くあり、対面交渉の難しい部分であると感じた。教授の、「交渉の際には譲歩はしないように。譲歩したくなったら日を改めることを考えても良い」「むりに交渉を続けようとせず、もう少しお互いの理解を深めることを優先する。又、その際はダイレクトに話を移行するのではなく相手とのコミュニケーションを大切にしながら伝える」というアドバイスが特に印象に残っている。