本日の講義の内容
▼杉田一真先生(産業能率大学 経営学部教授) ― 講義・演習
第7回の「リーダーシップ基礎」では、第3回に続き杉田先生に講義とワークをご担当いただきました。
第3回で取り組んだ「過去の経験(自分史)の棚卸し」や「価値観の自覚」をさらに深め、今回は 社会課題と自身の価値観を照らし合わせながら、個々の“ミッション(社会における役割)”を言語化していくワークを実施しました。受講生の皆様がこれまで漠然と抱いていた社会への問題意識が、今回のプロセスを通じてより明瞭になり、結果として自己理解の深化につながりました。
今後の講義では、ここで見出したミッション・ビジョンをさらに具体化し、中間報告やパブリックスピーチの場で発表していただく予定です。

履修生の学び ~講義後に提出される振り返りシートより抜粋
●商学部4年
本日の講義はワークシートをもとに個人のミッションとビジョンについて考えていく内容だったが、ミッションを考えていく上で、自分の原経験や価値観だけをもとに方向性を決めていくのではなく、最近の社会の動向にも目を向けていく必要があるという内容が心に残っている。自分がしたいこと、そして社会が求めていることが重なる部分に、これから私がすべきミッションがあるということを改めて学びんだ。リーダーシップとは「目標達成に向けて、個人が他人あるいは集団に対して影響を与え、その実現に導く行為」のことだったが、ここに周りを巻き込んでいくプロセスがある中で、その目標が自分がしたいことだけでなく社会が、そして他人が求めていることであることは前提条件だと思いました。ビジョンは決して1人では達成できるものではないので、同じ価値観をいかにより多くの人と共有していけるかが大事な鍵だという考えを持っていきたいと思います。
●経済学部2年
今回の講義では、ミッションの策定を目的に講義が進んだが、ディスカッションをすることにより、自分の考えがより整理されているように感じた。はじめは、自分のビジョンは何かと考えても、なかなか思いつくことができなかったが、他の人の気になるニュースを共有することによって自分はどんなことに関心があるのかを気づくことができたためである。。例えば、私が特に関心を持っていたニュースは、ニデックの不正会計についてであるのに対して、班の一人の方は熊問題に関心を寄せていた。他にも、コメ問題に関心のある方、政治に関して関心のあるかたがいた。具体的なことからから抽象的なミッションを考えることの方が容易であると仮定すると、今回の講義では具体的な関心の出来事を共有できるため、自分のミッションを非常に考えやすいと感じた。今回の講義で私のミッションはクリエイティブだが不正のない社会であるという風に定義することができた。
●法学部法律学科2年
「自分が思い描くビジョンや、どんな社会を望むか」という問いに対して、よくある理想論を語るだけの人にはなりたくないという思いが強かった。しかし、自分自身の手で実現したい社会像を明確に持っているわけでもなく、以前の授業で行った自己分析をうまく活かすこともできず、ペンが進まない時間が続いたのが正直なところだ。
ただ、授業の終盤で提示された“現在軸と未来軸”の図を見たとき、好きなことを深めていけばそれが自然と得意へと変わり、やがて自分のビジョンに繋がるというメッセージとして受け取ることができた。この気づきによって、まずは自分が何に興味を持ち、何に対して熱くなれるのかを改めて探る必要があると感じた。結果として、社会の理想像を語る前に、自分自身の価値観の源泉を掘り下げる重要性に気づくきっかけとなった。

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