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5月7日(火) 第5回交渉学「対話力②」

本日の講義の流れ

▼田村先生 ― (講義)意思決定のためのSPICEアプローチ
▼社会人TA古山さん― (演習)SPICEアプローチの実践

前半では、田村先生から意思決定のためのSPICEアプローチについてご講義いただきました。思いつきだけで判断しないことや、常に複数の選択肢を用意するといったより良い判断を行うためのポイントの解説がありました。これからの身近な生活にも役立てようと熱心にノートをとっている学生が多く見られました。
後半では、講義を踏まえた演習として、様々な利害関係者の立場に立って模擬会議を行うケースと、危機対応を想定したケースを行いました。ミッションに基づいてSPICEアプローチを活用することの難しさを感じた一方で、SPICEアプローチを意識することで適切に意思決定を行えることを実感したようでした。

履修生の学び 〜講義後に提出される振り返りシートより抜粋

●法学部法律学科3年
今日の授業では、対話力の5ステップ(SPICE)についてケーススタディを通して学んだ。
1つ目のケースでは、単純な二分法に持ち込むのではなく、様々な利害関係者の立場に立って利害を理解することが大事であることを学んだ。
2つ目のケースでは、田村教授がおっしゃっていたように、グループで考えることによって自分だけで考えるより何倍も選択肢が増えることを実感できた。それを収束させるのがとても難しく、実践を重ねる必要があると感じた。

●商学部3年
今回の講義を通して、ステークホルダーを初めに挙げてそれぞれの視点から考えるという議論の順序が身についたと思う。それぞれの視点から考えることで論点が多く見つかり、より深い議論ができた。ただ、たくさんの論点を見つけることはできたが、そこから良いものを広げていくことに苦戦した。相手に考えを広げてもらいやすい伝え方をすることや、それぞれ意見を一通り言った後にどこから広げるかなど、意見を出したあとの深堀りが今後の課題である。次回からは、グループワークではなく、1対1の交渉になるということなので、更に相手の話題を引き出すような対話ができるように場数をふむことができればと思う。また、これまで抽象的な議論展開のままで終わることが多かったが、今回は具体的な例を出してみたり、それぞれの生活に落とし込んでみたりすることで少し発想が現実的なものになった気がした。相手に話を振る時に、想像しやすい話題に噛み砕いてから聞いてみるというのも大切だと学んだ。

●法学部法律学科4年
今日の講義を通じて学んだのは、SPICEを活用した議論の展開の仕方だ。今までの授業や就活におけるディスカッションでは、先生のおっしゃった通り、課題の設定から始めていたため、議論のスタート地点から狭い視点で始めてしまっていた。今回のケースでは、利害関係者を洗い出して各視点から論点を検討したことによって、様々なステークホルダーの立場を踏まえたより良い解決策の考案ができたように思う。特に最初の事例で習得できたのが、自分の意見を通すためには自分の立場に固執した議論をするのではなく、各利害関係者の視点から自分の主張に納得できるポイントを作ることが大事だということだ。これは、今後議論する際にも活用していきたい。また、課題設定において学んだことは相関関係と因果関係の違いだ。今まではこれらの区別を意識せずに課題を設定していたが、今後は両者を峻別した上で因果関係を伴った課題設定を通じて理論的な主張を組み立てたい。