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5月14日(火) 第6回交渉学「交渉学①」

本日の講義の流れ

▼社会人TA古山さん― (講義)日本版交渉学における交渉の論理・事前準備(SMARTアプローチ)の重要性
▼田村先生― (演習)模擬交渉による実践力の育成

前半では、社会人TAの古山さんより日本版交渉学の3要素である、論理・準備・現場のうち、論理と準備についてご講義いただきました。特に、準備におけるSMARTアプローチについて、ミッション(M)や創造的選択肢(O)を考えることの重要を学びました。
後半では、田村先生に担当いただき、1対1でイベント出演オファーに関する模擬交渉を行いました。実際に模擬交渉を行うのは今回が初めてでしたが、多くの受講生がパワープレイに陥らず、中長期的な関係を意識しながら交渉することができたようです。

履修生の学び 〜講義後に提出される振り返りシートより抜粋

●法学部法律学科4年生
交渉学は、交渉のテクニックや駆け引きの方法を学ぶものかと考えていたので、最初の講義で、むしろテクニックに振り回されず合意に達することを目指すことに驚いた。その中でも、目の前の金額に固執せずに、長期的な信頼関係を築いてパイ全体を広げるという考え方が身についたことが収穫だった。
また、ケースを通じて、交渉においても傾聴力を発揮することが必要だと学んだ。今回は架空の事例だったため相手の提示した条件を鵜呑みにしてしまった部分があったが、フィードバックを聴く中で、隠された相手の考えや本当に実現できることを考えておく必要があることを学んだ。

●法学部法律学科3年生
今回の授業を受けて、交渉の難しさを学んだ。特に難しいのは、相手と自分がお互いメリットを感じるような条件を導き出すことだ。相手が提示できる条件がわからない以上は、こちらが相手側を傾聴する必要があるが、傾聴に必要な技術は、前回までの授業で身につけたので、受講前よりも、圧倒的に技術が上がっていることを実感できた。特に、相手の意見を否定せず、自分の意見を主張する力が向上した。相手の意見を否定しないことで雰囲気よく議論することができ、より良い議論につながると身をもって体感できた。交渉後の感想戦では、まだまだ聞き出せていない情報がたくさんあることがわかった。オプションの幅を広げる余地があったと思うので、お互いのニーズをしっかりと抑えるだけでなく、交渉の条件であるオプションをできるだけ相手から引き出せるように頑張りたい。

●法学部法律学科3年生
交渉の本質はお互いの利益を最大化することにある、ということの難しさを体感した授業だった。 今回のケースでは初めて、相手の持っている情報や持っていきたいゴールがわからない状態で始めたので、話の切り出し方さえも難しいと感じた。交渉の具体的な内容に関しては、田村先生のフィードバックを聞いて、議論の深さが足りなかったと反省している。実現可能性や根拠を提示しつつなぜその額や条件がいいのか、お互いの利害の調整をもう少しクリアにできればよかったと思う。どの情報を出し、どの情報を隠しながら進めていくのかを、相手に傾聴して探りながら進めるのは非常に楽しかったので、これからもっと実践して学んでいきたい。