KEIO
LEADERSHIP
CENTER

MENU

6月25日(火) 第10回交渉学「交渉力④」

本日の講義の流れ

▼田村先生―(講義)コンフリクト状態における交渉
▼社会人TA古山さん・渕川先生―(演習)3者間の模擬交渉による実践力の育成

前半では、交渉相手と対立した場合における対処の仕方について学びました。コンフリクトマネジメントにおいては、①解決を急がない、②相手に期待しない、③裏口のドアを開けておく(いかに深刻な対立状況でも和解への道を残す、選択肢を最後まで出し続ける)、という3つの要素が重要であり、田村先生からそれぞれの要素を詳しく解説いただきました。
後半では、これまでに比べ難易度の高い事例を用いて、三者間で模擬交渉を行いました。これまでのケースでは前提知識は必要とされませんでしたが、今回は専門的な知識も要したために、難しく感じた学生も多かったようです。悪戦苦闘しつつも、諦めず理解と交渉を進める様子がみられ、初回からの成長を感じました。

履修生の学び 〜講義後に提出される振り返りシートより抜粋

◯商学部3年
前半では、コンフリクトマネジメントの3要素として、①解決を急がない、②相手に期待しない、③裏口のドアを開けておく、の3つを学んだ。②では、ハイコンテクストという共通の暗黙の了解が多い日本文化では、期待をしがちであるが、コミュニケーションを通じて人となりではなく問題を確認すべきだと学んだ。③では、アメリカの例で言うと法的弁護士ではなく和解交渉専門弁護士のように協力的な交渉を展開するべきであると学んだ。
後半では、立場の違う3者に分かれて、ケーススタディを行った。議題自体が難しく、傾聴や共通のミッションなど、これまで学習した内容を駆使するのが後回しになってしまったと感じた。事実確認のために、もっと傾聴力を意識した議論に努めたい。また、書いてあることからもっと議論を広げられたらよかったと感じたので、次回に活かしたい。

◯法学部法律学科4年
今回はこれまでのケースに比べて、扱うテーマも難解であり、それぞれの立場、目的もまた複雑で難しいものであった。
今回の模擬交渉は、そもそもの前提把握や情報共有に多く時間を取られる結果となった。専門的な内容に踏み込んだからということもあるが、実際の交渉でもこのようにそれぞれの立場を確認することで時間が取られることが多いように思われる。事実確認は重要なことではあるが、時間がかかり過ぎるのも問題だと思う。その場合、やはりそれぞれの最終目標、実現したい主張をしっかりと明示して、交渉当事者で一致しない点を一から検討していくことが有効だと考える。また、重要になるのは模擬交渉を進める司会の存在だと感じた。今日のようなケースの場合には、全体の議論の方向性を意識しつつ、自身の立場を明確にして、お互いが協力して交渉成立まで進めていく意識が必要だと実感した。

◯法学部法律学科3年
今日のケースでは、同じ目標をかかげているにもかかわらず立場が違えば話し合いが難航するということを身を持って学んだ。これまでは、はっきりと対立する立場だったため、自分たちの利益を中心に考え相手にどう認めてもらえるかを考えながら進めていたが、今回のケースでは相手の主張も今までより考慮する必要が出てきた。そのため、自分の意見を貫き通すだけでは上手く前に進むことができず、話し合いが平行線になってしまった。今就職活動でグループディスカッションを経験しているが、とても近いものを感じた。今回のようなケースが他の会議や就職活動で応用できると思うので、今回の反省を活かし、的確な結論を導き出すことを意識しながら時間をかけて議論を解決していきたい。また、前提知識が乏しかったため議論を深めることの難しさを感じた。交渉学とは離れるかもしれないが、知識や教養は話を面白くさらに深めるのに必要不可欠だと個人的に感じたため増やしていきたい。