本日の講義の内容
▼田村先生 ― (講義)現場における交渉・複雑な交渉の方法
▼社会人TA古山さん ― (演習)現場における交渉の実践
前半では田村先生より、現場における交渉と、複雑な交渉の方法に関して講義いただきました。交渉相手とWin-Winの関係に持っていくために、人と問題を分離して考えることの重要性を学びました。
後半では、模擬ケースを用いて一対一の交渉を行いました。限られた時間と情報の中でそれぞれが話し合うことを交渉して進めることに苦戦している様子もみられましたが、前半で得た学びをさっそく活かせたようでした。
履修生の学び ~講義後に提出される振り返りシートより抜粋
◯経済学部2年
今回の授業では、日本においての交渉力について学んだ。その中で私が興味深いと感じたのは、「人を攻撃する交渉」と「人と問題を分離した交渉」についてである。人と交渉するときは、自分の要件を受け入れてほしいがために、相手を攻撃してしまうのはよくあることである。そんな中相手の気分を害して攻撃しすることと、交渉というのは大きな違いがあり、だからこそ、自分も話し合いの際に言い合いに勝つということを意識するのではなく、人と問題を分離して話すことをもっと意識していきたいと考えた。また複雑な交渉においての、相手と自分の交渉を客観的に見つめるということの重要性を感じた。相手の立場や目的を冷静に分析し、相手がどのような目的でその提案をしているのかを理解することによって、どこに譲歩できる余地があるのかを見極め、相手の心理や動機を理解できる。また自分の立場や目標を客観的に見直すことにより、交渉中にブレずに本当に大切なことに集中することができると感じた。あまりにも相手に引きずられ過ぎると、自分の利益を見失いバランスを失ってしまう。だからこそ客観的な視点から、交渉を見ることが重要だと感じた。
◯理工学部1年
人間に対する個人的な嗜好と相手の考えへの意見を区別すべきであるという教授の講義があったが、これには非常に共感した。まさに私がドイツでの1年間の留学で身をもって実感したことだからである。ドイツの高校に通う過程でまず感じたのは、自分の意見をしっかり持ち、それを論理的に周囲に伝えることの肝要さであった。それを実生活に活かす上で己に不足している能力は何であるのかと思案した時に辿り着いた答えが、個人的な嫌悪の感情をその相手の考えへの意見に反映しないという事であった。これは交渉やそれに付随する議論や対話においても重要であることは言うまでもないことに間違えないと、本日の講義で改めて確信した。また、今回の講義で扱った議題は比較的折衷案を探し出しやすかったと感じた。交渉する双方の譲れない部分が共存することが出来たからだ。しかし現実ではそうでない場合も多々存在するであろう。そのような場合に如何にして対応するかが、力量の見せ所であると思う。そのような場合に適切な対応を取れる様、努力を重ねたい。
◯法学部法律学科1年
今日は交渉力について講義を受け、その後ケースを行った。ケースを行う前に相手のことや相手の論理を考えて交渉を行うべきである。そして、相手の論理を知るために、自分のことを説明して、質問を返報性の原理で返してもらうことが大事であると教わった。しかしながら、いざ実践をしてみると想像以上に難しかった。他の班で行っていたように、アイスブレイクから入り信頼関係を築いた上で交渉に入ることも大切であると分かった。最後に、フィードバックでも話されていたが、協議事項をしっかりとあげた上で交渉を行うと上手く行き合意にも繋がりやすいことを学ぶことができた。