本日の講義の流れ
▼田村次朗先生(慶應義塾大学名誉教授)ー 講義・演習
日吉キャンパスの銀杏も少しずつ落葉し、秋から冬への移ろいを感じる季節となりました。
第8回目の「リーダーシップ基礎」では、対話を有効なものにするための5つのステップについて、田村先生に講義と解説をしていただきました。各ステップで重要となるポイントや具体的な事例を交えた説明により、受講生の皆さんは対話の構造をより深く理解することができたように思います。
講義後は、グループごとにステップを意識した演習を実施しました。限られた時間の中で最終ステップまで到達できなかったグループもありましたが、途中までのプロセスがより濃密になり、対話の質が高まった様子がうかがえました。
最後に、各グループの代表者から議論内容の共有と発表が行われ、田村先生よりフィードバックをいただきました。多様な意見が交わされたことで、受講生にとっては 多角的な視点や気づきを得る貴重な時間 となったのではないでしょうか。
履修生の学び ~講義後に提出される振り返りシートより抜粋
●商学部2年
今日のケーススタディは今まで以上に、現実味があると同時に、短い時間の中だと非常に扱いづらい内容だった。最終的な課題は設定できたものの、より詳しい議論はできなかったので、短い時間の中でも深く的確な対話をファシリテーターとして、建設していけるように経験を積んでいきたいと思った。また、自分は今ゼミ試験直前で、グループディスカッションの対策なども行っているのだが、今日のSPICEの議論や会議の組み立て方はとても効果的なものだと実感した。全員の意見をまずは拡散させていきながら、課題設定のために収束させ、そこに対してさらに拡散をさせていくことは、意見構築の際にとても便利なフレームなので、これからもたくさん意識しながら活用し、自分のものにしていきたいと考えた。
●商学部2年
今回の授業を通して、様々な利害関係者の視点に注目することが社会問題の分析においてとても重要だと感じた。普段、私は、表に出ている意見や自分が共感しやすい意見を中心に考えてしまいがちだが、発言していない立場の人や、声が小さいけれど影響を受ける人たちの考えもくみ取ることで、より公平で客観的に物事を捉えることができると分かった。また、できるだけ多くの意見を取り入れてから優先順位をつけて意思決定していくというプロセスは、問題解決において非常に合理的だと思った。何を重視して優先順位をつけるべきか判断するのは難しいと感じたので、日常から意識して今後の課題にしていきたい。今回学んだ対話の方法は、社会問題だけでなく、日常生活や将来の仕事の場面でも役立つと感じたので実践できるよう心がけたい。
●商学部4年
今日の講義では、最初に対話力について講義を行い、その後に演習内容をもとに議論を行った。ミッションに基づいた対話のアプローチとして、SPICEの5つの段階があることを学んだ。それぞれの内容も学びがあったが、意思決定においてこれらの形式的なプロセスは、法律の観点から説明責任を果たせるか否かに関わってくる重要なステップであるということが興味深かった。また、ここでの学びをもとに議論を行ったがSPICEのフレームワークを使いこなすのに少し苦労した。今までのズームインとズームアウトの視点に加えて、四次元的(ステークホルダー、法律や倫理などの社会、過去と未来)な幅広い視点を持つことが大変だった。さらに、多角的に意見を出し合った後で選択肢の評価と優先順位付けをもとにした意思決定をするところまではほとんど時間を使えず、効果的な分析はできたが効率的ではない議論になってしまったという印象があった。実際に意識してみるとかなり難しいことが分かったことが大きな学びだった。


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