本日の講義の流れ
▼田村次朗先生(慶應義塾大学 名誉教授)
▼渕川和彦先生(慶應義塾大学 法学部准教授)
▼古山 彰先生(KGRI連携所員)―トークセッション
▼杉田一真先生(産業能率大学 経営学部教授)― 講義・グループワーク
交渉学の講義も第3回を迎えました。今回は、「リーダーシップと自分」というテーマについて、より深く考える回となりました。
講義冒頭では、杉田先生よりリーダーシップの本質について体系的な整理がなされ、自身の将来とどのように結びつくのかについて、多くの示唆が共有されました。これを受け、各グループでは「自分にとってのリーダーシップ」について活発な議論が行われました。
続いて、杉田先生の司会のもと、田村先生・渕川先生・古山先生によるトークセッションを実施しました。学生時代に描いていたビジョンや、その後どのような選択を重ねて現在に至ったのかについて、それぞれのご経験を交えながらお話しいただきました。
「これまでの経験が、これからの選択につながっていく」というメッセージは、受講者にとって非常に印象深いものとなり、多くの学生が強い関心を持って聞き入っている様子が見られました。
その後は、杉田先生より現代社会における課題について臨場感ある問題提起がなされ、グループワークでは、これまで以上に踏み込んだ対話や議論が展開されていました。

履修生の学び 〜講義後に提出される振り返りシートより抜粋
●法学部法律学科 4年
本講義を通じて、リーダーシップとは単に人を引っ張ることではなく、自らの価値観に基づき周囲を巻き込みながら社会的な目標を実現していく行為であると学んだ。特に印象的であったのは、オーセンティックリーダーシップにおいて「弱みを開示すること」の重要性である。
私はこれまで、相手にどう見られるかを意識するあまり、自分の弱みを見せることに抵抗があった。しかし、留学中にあえて自分を未知の環境に置いたことで、言語や文化の違いから自分一人では解決できない場面に直面し、周囲に助けを求める重要性を実感した。その結果、多様な人々と信頼関係を築きながら課題を乗り越える経験ができた。本講義を通じて、自らの弱みを受け入れ、周囲を巻き込みながら価値を生み出していく姿勢を今後も大切にしたいと考えている。
●文学部 4年
今回の講義では、VUCA時代における「オーセンティック・リーダーシップ」の核心と、それに基づく思考法について学んだ。
「オーセンティック・リーダーシップ」が求められる背景としては、かつての高度経済成長期のような正解(「追いつけ、追い越せ」)がある時代には、模倣による「フォーキャスティング」で十分であったのに対し、正解のない現代では、理想の未来から逆算する「バックキャスティング」の姿勢に転じていく必要があるということに起因する。なお、この一例にSDGsを挙げ、目標に基づくリーダーシップの重要性とも紐づいて解説していた。また、リーダーシップとは役職のことではなく、フォロワーの影響・受容によって成立する「関係性」のことで、経験と対話により影響の輪を広げていくことが、リーダーシップの発揮に不可欠である。
さらに、トークセッションを踏まえ、登壇者のご経験を踏まえ、過度な自尊心を抱くのではなく、適切な開示による対人意識が、周囲の信頼を得る鍵となることを学んだ。
●経済学部 3年
今回の講義では、トークセッションを通じてオーセンティック・リーダーシップの実践的側面を学んだ。印象的だったのは、登壇した教員の多くが当初からWILL・CAN・MUSTを明確に持っていたわけではなく、周囲との対話や多様な環境への挑戦を重ねる中で、自身の問題意識を深め、それがビジョンへと収斂していった点である。この理解を踏まえ、まずは慶應という多様性の高い環境において、他者との対話を積極的に重ねることから着手したい。また、ロールプレイで扱った適応型課題では、正解のない状況において重要なのは具体的な解決策の提示ではなく、他者をいかに巻き込み、「共に進む」意思を示せるかにあると認識した。一方で、グループワークでは当初、数値による不安の解消に傾斜しており、本質的なアプローチとの乖離も自覚する結果となった。今後は、関係構築と巻き込みを軸に据えた行動を意識したい。

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