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6月5日(月) 第8回交渉学「交渉学③」 ~三田キャンパス

本日の講義の流れ

▼田村先生―(講義)日本版交渉学における交渉の論理・事前準備(SMATOアプローチ)の重要性
▼田村先生・社会人TA古山さん―(演習)模擬交渉による実践力の育成

前半では、日本版交渉学の3要素である、論理・準備・現場のうち、論理と準備について学びました。特に、準備におけるSMATOアプローチについて、状況把握(S)、ミッション(M)の設定、そして創造的選択肢(O)を考えることの重要性が説かれました。

後半では、講義の学びを早速実践するために、1対1の模擬交渉を行いました。模擬交渉後の感想戦(互いのロールを見せあいグループで対話する)では、相手の情報を交渉で引き出せていなかったことを多くの受講生が実感した様子でした。

履修生の学び ~講義後に提出される振り返りシートより抜粋

● 文学部4年生

今回、初めて模擬交渉をして、アプローチの仕方1つで流れが変わるビジネスを短時間で体感することができ、非常に有意義な時間となった。

交渉の結果として、お互いに合意することができたと思う。しかし、その過程では楽しさと同時に難しさも感じた。自分自身の主な反省点は主に2つある。1点目が十分に疑問を投げかけることができなかったこと、2点目は手札の使い方である。

1点目については、交渉相手の経歴や背景を知らないまま話を進めてしまった。もしその点を相手に質問することができていれば、相手の思いをさらに知ることができたのではないかと考える。2点目については、相手が喜ぶための手札を用意することができても、その手札を使うところをうまく選ぶことができなかった。

この2点に共通することとして、自分が想定していたゴールにたどりつけたものの、その過程で改善の余地があるため、実際のビジネスで交渉する際には柔軟な対応ができるように訓練したいと感じた。実際には、短時間でうまくいくことはないと思うが、交渉する際に意識することを主体的に学ぶ貴重な機会となった。

● 法学部法律学科3年生

交渉の準備では、SMATOの中のSとMを中心に考え、自分の役割のプラスの情報とマイナスの情報を書き出してまとめた。そして、マイナスの事柄に対して相手がどのように反応してくるのかについて考えた。

模擬交渉はとても難しかった。まず相手がどのような情報を知っているか、どのようにこちら側を捉えているのかがわからなかったため、ロールに書いてある秘密情報についてどれくらい話せばよいかわからず、探り合いをしながら交渉していた。

次に、相手が非常に説得力のあることを言ってきたときに、確かにこの案でいいのではないかと自分も思ってしまった時の対応が難しかった。終了後、お互いのロールを見ると、あまり細かく言わない方がいいと思って私がわざとあいまいに匂わせたことが、もし具体的にそれを言っていたらもっと相手を焦らせることができたとわかった。また、私がもっと細かく質問すれば相手の不利な点を暴ける可能性があったこともわかった。今回の交渉で相手のことを知る大切さを感じた。特に、それをどうやって質問したり、聞いたりするかを考える必要性を身をもって学ぶことができた。